日本における「ドイツ専門職業訓練」自動車整備士養成プログラム
在日ドイツ商工会議所では、様々な技術・仕様に対応する次世代の自動車整備士の雇用・教育のためのプラットフォーム構築が急務であると考え、ドイツ車インポーターの協力のもと、またグローバルなドイツ商工会議所のネットワークを活用しながら、数年かけて日本への「ドイツ専門職業訓練」の導入に向け準備を進めてきました。そして、2024年4月についにプログラムがスタートしました。
ドイツ車インポーターであるビー・エム・ダブリュー株式会社ならびに三菱ふそうトラック・バス株式会社がパートナー企業として参画します。講義は東京と神戸にある協力パートナーの学校で行われます。
パートナー企業
ビー・エム・ダブリュー株式会社
三菱ふそうトラック・バス株式会社
協力パートナー
NPO法人メカニックカレッジ
学校法人兵庫科学技術学園 阪神自動車航空鉄道専門学校
プログラム
訓練生には、ドイツのカリキュラム※を日本の状況にあわせて構成したオリジナルプログラムを提供します。電気自動車や自動運転まで、最新の専門技術を深く理解して身につけることができます。
研修では、70%の時間をディーラーでの実践に充て、30%の時間で自動車整備に特化した知識と一般教養の講義を受講します。
- 一定期間のOJTののちに講義を受講する構成で、これを3年間続けることにより必要な全カリキュラムを習得できます。
- 全プログラムを修了すると、ドイツ政府の規定に基づく証明書が付与されます。また研修先企業にフルタイム職員として就職が可能となります。
※「自動車メカトロニクスエンジニアに関する職業訓練規則」によって策定された「自動車メカトロニクスエンジニア向け職業訓練カリキュラム」のこと
プログラムの強み - Win-Win環境へ
ディーラーにとってのWin
- 体系的なOJTシステムの構築
- 優秀な社員の確保
- 離職率の低減
- 専門知識の高い社員の新キャリアパス(OJTトレーナー)
- ドイツ式マイスター制度の資格(OJTトレーナー)
学校にとってのWin
- ドイツカーメーカーと共同で新教育制度を構築
- 学校の持つ人的・物的資源の有効活用
インポーターにとってのWin
- 体系的なOJTシステムの構築
- ディーラーでのサービスクオリティの改善
- 顧客満足度の向上
- ブランドイメージの向上
訓練生にとってのWin
- 雇用契約提携により就職先(ディーラー)を保証
- 体系的なオンボーディング・プログラム
- 日本とドイツの資格を同時に取得(将来の計画)
- 専門家からの指導により最新テクノロジーと技術を習得
Train the Trainer (AdA)
「ドイツ専門職業訓練」の研修先企業は、「Train the Trainer (AdA - Ausbildung der Ausbilder International)」を事前に受講し、認定を受ける必要があります。これは国際スタンダードに基づいたコースで、社内研修に関わる担当講師が、OJTなどで研修生を効果的に指導する教授法などを会得していくものです。ワークショップはドイツから招聘した経験豊かな講師が担当し、英語で行われます(日本語の通訳有)。