ダイバーシティは、在日ドイツ商工会議所の会員企業にとって依然として重要な課題
- 最新調査は、昨年同様、ダイバーシティが業績向上の重要な要素であることを示している
- 会員企業の70%が、社内の多様性を強化するための活動を支援している
- 76%の企業内で、ダイバーシティは日常的に話題に上がっている(前年比24ポイント増)
- 一方、重要業績評価指標(KPI)にダイバーシティ目標を組み込んでいる企業は17%に過ぎず、ダイバーシティ専任担当者を置く企業は4%にとどまっている
- 21%の企業が、法定要件を超える育児休暇制度を設けている
2023年7月5日|東京 ― ダイバーシティは、企業の業績にとって重要な要素です。在日ドイツ商工会議所の会員企業315社を対象とした最新の調査では、昨年に引き続き、大多数の企業が職場の多様性強化に力を入れ、雇用主としての魅力を高める取り組みを積極的に行っていることがわかりました。その一方で、ダイバーシティに関連する目標を重要業績評価指標(KPI)に組み込んでいる企業やダイバーシティ専任担当者を設置している企業はいまだ少数でした。
回答企業の70%が、社内の多様性を強化する活動を支援しています。ダイバーシティは重要な要素として捉えられており、ほとんどの活動は人材への配慮(77%)や業績向上(73%)を目的に実施されています。また、企業としての社会的責任(63%)も、重要な役割を果たしています。しかし、ダイバーシティをブランディングやレピュテーション・マネジメントの課題としている企業は半数(48%)にとどまっています。多くの企業はいまだダイバーシティをPRに活用することを控えています。
「在日ドイツ企業は、職場の多様性に取り組む先進企業の一つです。このことをPRやブランディングにもっと活用していくことで、魅力的な雇用主であることをより明確にアピールできるはずです」と、駐日ドイツ商工特別代表 兼 在日ドイツ商工会議所の専務理事であるマークゥス・シュールマンは述べています。また、「今日問われていることは、多様な人材が重要かどうかではありません。最良の人材を惹きつけ、企業としての業績を向上させるために、ダイバーシティをどのように戦略的に活用するかということなのです」とつけ加えました。
会員企業の52%(前年比6ポイント増)は、多様な人材の獲得を目標としています。同様に52%(2022年:38%)は、本社の指示によりダイバーシティ強化に注力しています。疑問の余地なく、企業ができることはもっとあります。例えば、46%の企業(前年比6ポイント増)は、ダイバーシティに特化した研修を実施していません。ビジネスパートナーの選定において、ダイバーシティを重要な基準と定めている企業は21%に過ぎません。
これまであまり積極的に参加してこなかった企業は、先駆的な取り組みを行ってきた企業の経験から多くを学ぶことができます。例えば、先進企業は、明確なESG方針を定め、女性のキャリア形成を促進し、様々な国籍の人材を積極的に採用しています。また、ソーシャルメディアなどでキャンペーンを実施したり、組織内の多様性促進に焦点を当てた講演者によるイベントを開催したりしている企業もあります。さらには、「ダイバーシティ協議会」を設置し、ダイバーシティの問題を協議、推進している企業などもあります。
その一方で、ダイバーシティに関連する目標が社内プロセスやKPIに組み込まれるまでにはまだ時間がかかることを、企業は認識しています。これまでのところ、従業員満足度など全社的な評価にダイバーシティを組み込んでいる企業は23%(前年比9ポイント減)でした。KPIの一部にダイバーシティに関連する目標を含めている企業は17%に過ぎませんでした。
その重要性が認識されているにもかかわらず、ダイバーシティの業務自体はいまだ副業務にとどまっています。25%の企業(前年比6ポイント減)では、上層幹部がその他の多くの業務のかたわら、ダイバーシティ業務に取り組んでいます。また、ダイバーシティを主業務とする専任担当者を置いている企業はわずか4%でした。
調査は2023年5月12日から26日までオンラインで実施され、会員企業315社のうち25%から回答を得ました。回答企業の3分の2は、従業員数100人未満の中小企業でした。
調査結果の詳細は、以下よりダウンロードできます。
調査概要
調査名称:在日ドイツ商工会議所 会員企業調査「職場におけるダイバーシティ」
調査期間:2023年5月12日~26日
調査方法:オンラインでのアンケート形式
調査内容:2022年より、会員企業のダイバーシティ関連の活動を調査するために実施
調査対象企業数:在日ドイツ商工会議所の在日会員企業315社
有効回答数:80社(25%)
お問い合わせ
在日ドイツ商工会議所
広報部 蒔田
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