受賞者発表 ― 日独科学技術交流を促進
在日ドイツ商工会議所は2017年6月19日、都内のホテルで第9回ドイツ・イノベーション・アワード「ゴットフリード・ワグネル賞2017」受賞者を下記の通り発表し、表彰しました。本賞は、日本を研究開発の拠点として活動しているドイツのグローバル企業9社によるプロジェクトで、日本の若手研究者支援と科学技術振興、そして日独の産学連携ネットワーク構築を目的としています。
本賞では、材料、デジタル化とモビリティ、エネルギー、ライフサイエンスの4部門からそれぞれ受賞研究1件が選ばれ、各部門受賞者に対して賞金250万円が贈られます。
授賞式では、まず主催者と共催企業を代表してマークゥス・シュールマン駐日ドイツ商工特別代表による挨拶があり、賞の紹介および関係者への謝辞などが述べられました。続いて登壇したハンス・カール・フォン・ヴェアテルン駐日ドイツ連邦共和国大使は、本賞が日独の科学技術協力に大きく貢献していると強調しました。来賓の鶴保庸介内閣府科学技術政策担当大臣は、科学技術イノベーションを推進する上で人材の重要性について触れ、受賞者がその好例であると賞賛しました。
受賞者の発表が行われると、事前に各受賞者の研究室でインタビューした映像が映し出されました。賞の贈呈では、相澤益男選考委員長および共催企業代表らが受賞者と壇上で握手を交わし、会場は大きな拍手に包まれました。その後、受賞者自身による挨拶が行われ、受賞の喜びなどが述べられました。
授賞式には、日独の産学官の各界からの参加者および報道関係者ら約180名が参加しました。授賞式に引き続き行われたレセプションでは、なごやかな雰囲気の中で参加者らの活発な日独の産学官交流が行われていました。
「ゴットフリード・ワグネル賞2017」 受賞者
<材料部門>
金子 達雄 (かねこ たつお) 北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授「エキゾチックなアミノ酸を用いた高熱力学性能を持つ透明バイオプラスチックの開発」
チームメンバー:立山 誠治 (たてやま せいじ)
北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 特任講師(応募時)
大阪有機化学工業株式会社 金沢研究所 研究五課(現在)
<デジタル化とモビリティ部門>
中嶋 秀朗 (なかじま しゅうろう) 和歌山大学 システム工学部/システム工学研究科 教授「全ての人の移動の自由を実現するパーソナルモビリティビークルRT-Mover PType WA」
<エネルギー部門>
田辺 克明 (たなべ かつあき) 京都大学 大学院工学研究科 准教授「新規半導体接合技術によるグリーン光電子デバイス」
<ライフサイエンス部門>
石川 文彦 (いしかわ ふみひこ)
特定国立研究開発法人 理化学研究所 統合生命医科学研究センター
ヒト疾患モデル研究グループ グループディレクター
「ヒト化マウスを用いた予後不良白血病の理解と克服」
(敬称略)